古来からあった日本のチーズ文化

元々ヨーロッパのものであることから、日本には近代になって伝わったと思われがちなチーズ。
ですが、実は日本にチーズが伝わったのは仏教伝来とほぼ時を同じくしています。
遣唐使や大陸からの渡来人が持ち込んだと思われますが、鑑真和上が来日時に大量に持参されたとも言われています。
当時は「酥(そ)(または蘇)」(チーズ)、「醍醐(だいご)」(バターオイル)、「酪(らく)」(ヨーグルト)と呼ばれ、滋養強壮のための薬として食されていたようです。
その後8世紀初頭、朝廷主導の国家的事業として古代日本のチーズ生産が大々的に開始されました。
当時としては貴重品だった乳製品は、貴族を中心に薬として扱われ、庶民の口に入ることはほとんどなかったようです。
全国で生産されはじめたチーズでしたが、貴族社会が衰退するにしたがってそれもやがて消えて行ってしまいます。
その後も日本で牛は農耕用の労働力として扱われ、乳製品は一部の高貴な人間のみのものであったようです。江戸時代、8代将軍吉宗がインドから贈られた牛から乳を搾って加工して食したという記録が残っています。将軍クラスでなければ口にできないものだったのでしょう。
現代ではチーズやヨーグルトは誰でも食べることのできる身近な食品ですが、その効能は今も昔も変わってはいません。
チーズや乳製品は必須アミノ酸などのタンパク質、ビタミン類、燃焼しやすい中鎖脂肪酸などを豊富に含んでおり、とても優れた自然の健康食品です。昔の人が滋養強壮薬として大切にしたのもうなづけます。
おいしいチーズを身近で食べられる今は、とても良い時代です。それをさらにおいしくスイーツとして味わえる私たちは、本当に幸福と言えるでしょう。